いますぐ使える!お役立ち資料

[eBook]業種別の活用事例付き〜5分で分かるRFID基礎知識!

ダウンロードはこちら

Case 導入事例

群馬大学医学部附属病院様/病棟向け調剤工程管理

群馬大学医学部附属病院様/RFIDを活用した病棟向け調剤工程管理導入事例イメージ
病院名
群馬大学医学部附属病院
業種
医療業
導入時期
第一期:2011年、第二期:2022年

事業内容

群馬大学医学部附属病院様は病床数700床以上、1,700名以上のスタッフを備え、外来数一日2,000名、年間13,000人の入院患者の診療を行う北関東有数の拠点病院です。

導入背景

病棟看護師の仕事は患者の観察や記録、服薬管理、医療処理や教育など多岐にわたります。中でも服薬管理は、正確に実施しないと患者に深刻な影響を及ぼす可能性があり、患者の安全確保と治療効果の最大化のためにも重要な仕事の一つになります。多くの入院患者を抱える病棟では患者に必要な薬剤が届いていない場合、看護師は薬剤部に直接電話で問い合わせて調剤の進捗確認行っていました。そのため、薬剤部では調剤作業の中断が頻繁に起こり、作業効率の低下、調剤業務の滞留が生じ大きな問題となっていました。
入院患者だけで一日当たり250件の調剤を行いながら、平均40件/日の電話応対は、電話をかける方にも受ける方にも負担を生じていました。

導入前の課題

看護師
入院患者に投薬する薬剤の調剤進み具合が分からない。患者により最適な服薬のタイミングがあるため、対応の段取りが立てられない。
薬剤部
入院患者だけでなく外来向けの調剤にも対応する中で、調剤作業中断による作業効率の低下や調剤ミスにつながる危険性を減らしたい。

※1日40件の電話応対は双方ともに負担!

RFIDシステムで調剤工程を見える化

システム導入により、薬剤部や看護師など医療スタッフの作業負担を増やさない点に注意して検討を行いました。以前から薬剤部で使用していた薬袋と処方箋を挟むピンチにRFIDタグを貼付し、RFIDタグ番号と電子カルテ情報とのひも付けを実施します。薬剤部の各工程に設置されたリーダー・ライターにRFIDタグ付きの処方箋をかざすだけで、調剤状況をリアルタイムにモニターへ表示することができます。Webアプリケーションのため、院内1,300台の電子カルテ端末から進捗確認が可能になりました。2011年に薬剤部内の工程について導入し、2022年に病棟への到着確認までトレース範囲を拡張しました。

運用フロー

運用フロー

システム構成

システム構成

※システム開発には所在管理システムLogiViewerをカスタマイズしています。詳しくは「所在管理システムLogiViewer」紹介ページをご覧ください。

システムの特長

(1)調剤工程の可視化

病院内にある電子カルテ端末から、医師・看護師はウェブで調剤工程の確認が可能になりました。調剤工程の可視化により薬剤部への電話問い合わせを大幅に削減しました。

(2)RFID利用で現場の作業負担を削減

調剤現場では処方箋に取り付けられたRFIDタグを、各工程毎に設置したリーダー・ライターで読み取りを行うだけの簡単運用。現場の負担が少ない運用でシステムの導入を実現しました。

(3)調剤業務の統計的管理

各調剤工程の作業時間を統計的に収集することができます。そのデータを元に滞留しがちな工程を明確にし、業務改善に活用できます。

(4)業界標準への対応(他システムとの連携)

電子カルテシステムなどへのデータ連携が可能です。

※医療情報システム 標準プロトコル Health Level 7(HL7)を採用

画面イメージ

画面イメージ

導入効果

第一期:2011年(薬剤部導入時)

看護師
電子カルテからワンクリックで簡単に調剤状況を確認可能。1日約150件、調剤状況をシステムから確認し電話問合せが半減
薬剤部
電話応対による調剤作業中断の大幅削減・作業効率アップ調剤ミスの低減

第二期:2022年(薬剤部~病棟展開時)

・病棟各フロアのスタッフステーションなど16か所にリーダを設置し可視化工程の拡張

薬剤部から払い出し後の病棟各階のスタッフステーションへの到着も分かるようになりました。以前は例えば患者が入院後の転棟の際などに薬剤の配達先が異なっていると払出はされていても、正しいスタッフステーションに届かず大変な探す手間が掛かる場合がありましたが、到着先まで可視化されることでこのような更なる課題解決を実現しました。

ご担当者さまコメント

本システムの病棟展開により更なる医療DXが実現されました。また2022年に採択された総務省5G実証事業の中では、このサービスの導入時に作成された医療情報標準規格のHL7v2規格の後継であるHL7 FHIR規格の実装を速やかに行う土台となり、配薬、服薬、退院時処方を含むトレーサビリティーとして機能することを実証しました。今後、タグ運用が薬剤以外の医用物品に拡大されると、親和性の高い搬送ロボットや識別ロボットとの協働も見込まれます。これにより、医療安全と省力化を高度に両立する医療DXの基盤技術として広い応用展開が期待できます。
(群馬大学医学部附属病院 システム統合センター 副センター長 准教授 鳥飼幸太様)


本事例は2012年 社団法人日本自動認識システム協会様の 自動認識システム大賞を受賞しました。

本事例は2025年1月 株式会社CBホールディングス主催の 「病院DXアワード2025」にて優秀賞を受賞しました。詳しくはCBニュース掲載記事もご覧ください。

その他の関連製品はこちら