導入効果
- 棚卸し時間
従来の30分の1に削減(約240時間/回 → 約8時間/回) - 作業費用(RFIDコスト含む)
従来の10分の1に削減 → RFIDタグや機器、システムを導入しても十分回収可能
重要文書が保管されているキャビネットが金属製のため、引き出しを閉じた状態でのRFIDの読み取りはできませんでしたが、引き出しを開ければ、書類を入れた状態でも複数一括読み取りができる点が、一番の作業効率化になりました。
各種の重要文書が、8カ所の書庫に約7,000点保管されており、担当者が手順書に従って年4回の棚卸しを実施していました。棚卸し作業はヒューマンエラーが発生しないよう2名体制で行っており、キャビネットから現物を取り出し、台帳のリストと付け合わせ、押印する運用となっていました。間違えないよう丁寧な目視確認を行っていた上、棚卸し結果のデータ化に手間がかかるなどの課題もありました。また、返却時に所定外の場所に保管するなど、所在不明な文書が発覚した際には、捜索の手間もかかっていました。そのため、1回の棚卸しにかかる作業時間は約240時間にも上り、担当者の負担が課題となっていました。
今後、保管が想定される文書量が倍量の14,000点になることも踏まえ、管理方法の効率化の検討を本格的に開始することになりました。
検討の初めに、現状の台帳管理とRFID管理の、各運用に必要な時間とコストを事前に比較検証を行いました。台帳管理においては、台帳作成や整備、そして棚卸し作業時間とそのコストを算出。RFID管理についても棚卸し作業時間に加えて、新たに発生するRFIDタグのコストと印字・発行、貼付作業を算出しました。
一つ一つ書類を目視確認する台帳管理に対し、RFIDの場合は書類に貼付したRFIDタグを、RFIDリーダーで瞬時に読み取ることが可能なため、棚卸し作業時間の大幅な削減が見込めることが判明しました。また、所在不明な文書の捜索にはRFIDの読み取り電波強度の差から、大体の場所を特定できるため、その手間も改善できました。さらに、棚卸し結果は簡単にデータ化できるため、他システムなどへの連携が容易な点も、大きなポイントになりました。
それらの効果は、RFIDタグのコストを十分に回収できるレベルであったことから、約7,000点の全文書に対し、RFIDによる棚卸し管理の本格導入となりました。
※本事例のRFID読み取りアプリは、川崎重工業株式会社 技術開発本部様にて独自開発したものを使用しています。
重要文書が保管されているキャビネットが金属製のため、引き出しを閉じた状態でのRFIDの読み取りはできませんでしたが、引き出しを開ければ、書類を入れた状態でも複数一括読み取りができる点が、一番の作業効率化になりました。
【特徴】1~2mm間隔で重ねたファイルも一括読み取りが可能(100冊)
【利用例】書類管理、書籍管理
【製品サイズ】28×85mm
【アンテナサイズ】8×80mm
【参考通信距離】6m(紙ファイル貼付時)
データシート(MonzaR6P版)
「大量のものの有無を確認する」、「転記する」、「所在を確認する(探す)」などの作業には、RFIDで大幅な効率化ができることが十分証明されたので、今後、文書以外の資産管理や在庫管理などの業務にも応用を検討しています。