脊椎インプラントのサプライチェーンマネジメントの特殊性
メドトロニック(日本3法人)さまの幅広いポートフォリオの中に、超高齢化社会において増加し続ける椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、骨粗しょう症による圧迫骨折などの脊椎の治療に用いる脊椎インプラントや内視鏡、バルーンなどを用いた矯正など、新しい手術手法やソリューションを提供するスパイン事業があります。
脊椎インプラントを用いた手術では、使用するインプラントのサイズや形状を非常にデリケートに選定する必要があり、医師が術前のレントゲン診断などでおおよその見当はつけるものの、最終的に使用するインプラントは手術の際に医師が選定することになります。そのためメドトロニックさまでは、手術に臨む医師のあらゆる要望に対応できるよう、蓄積した知見を基に多種類のインプラントを取りそろえ、現場へと出荷します。手術で使用されなかった製品は返却されますので、脊椎インプラントのサプライチェーンマネジメントは「出荷した製品の多くが戻ってくる」という特殊な仕組みであり、在庫管理においては出荷と返却の差分の把握が非常に重要になります。
メドトロニックさまでは従来、出荷の際と返却の際に製品一つ一つのバーコードをハンディスキャナーで読み取っていました。読み取り漏れが許されない上に、前述の通り返却の際にも多くの製品をスキャンする必要があるため手間のかかる作業であり、一括読み取りのニーズは以前からありました。