棚卸しの目的
では、なぜ棚卸しを行う必要があるのでしょうか。棚卸しを行う目的について詳細に説明します。
利益を正しく計算するため
会社を健全に経営するためには、売上高と仕入れコスト、そして純利益を正確に把握することが大切になりますが、純利益を把握するためには売り上げ原価を考慮する必要があります。在庫は売り上げ原価には含まないという会計処理を行うため、在庫量によって純利益が変わるといえます。
純利益によってかかる税金額も変わってくるため、正しい純利益を把握するためにも、棚卸しにより正確な在庫管理が必要となります。
適正な在庫管理のため
製造業の場合、原料となる在庫を正確に把握しておくことで、製造に支障をきたさず、かつ過剰購入を抑えるなど、原料調達の最適化を図れます。また製品の在庫数から、何がどれだけ売れているのか、また売れていないのかを知ることができるため、販売戦略の立て直しにも役立ちます。在庫不足による販売機会の損失を避けるのにも役立ちます。
資産評価を行うため
棚卸しは、棚卸し時点での売れ残り製品や、未使用の原料を在庫として数えることだけではありません。会社の運営上必要な機材やツールなどを含む各種資産が、どこにどれだけあるかを把握して、適切な資産評価をすることも、目的のひとつです。長期間在庫となっていたことによる傷み、型落ちがある品目、不良在庫の評価も含まれます。
正しい帳簿管理の確認のため
帳簿上に記録されている数字と、実際の数量を突き合せることで、不正な持ち出しや紛失、記帳ミスがないかを確かめることも、目的となります。もし、帳簿上の記録と違う場合は、その原因を探し、改善を行わなくてはいけません。