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Column コラム

検品作業とは?検品の重要性や効率化のポイントを解説

「検品作業の効率が思うように上がらない」「ヒューマンエラーが減らない」など、製造現場や物流現場での検品作業に課題を抱えている方は多いのではないでしょうか。本記事では、検品作業の基本から効率化のポイント、さらにはRFIDなどの技術を活用した革新的な改善方法まで、現場ですぐに活用できる具体的な施策をご紹介します。

検品作業とは?

検品作業の定義と基本プロセス

検品作業は、製品の品質を確保するための重要な品質管理プロセスです。具体的には、製品の外観、機能、数量などを確認し、期待される品質基準を満たしているかを検証する作業を指します。この作業は、製造業からEC事業まで、あらゆる業界で必須となっています。

検品作業は主に以下の三つのタイプに分類されます。

  • 入荷検品
    原材料や部品の受け入れ時に行う検査。品質、数量、規格が発注内容と一致しているかを確認します。
  • 工程間検品
    製造工程の途中で実施される検査で、次工程に進む前の品質を確認します。
  • 出荷検品
    製品の出荷前に行う最終確認で、お客さまに届く製品の品質を保証する重要な工程です。

検品作業の種類と実施方法

検品作業は目的に応じて四つの主要な方法があります。

  • 外観検査
    製品の傷、汚れ、変形など目視可能な不具合を確認します。熟練検査員による作業が基本ですが、近年では画像認識技術の活用も進んでいます。
  • 数量検査
    製品の数量が注文内容と一致しているかを確認する作業です。手作業によるカウントのほか、重量計測や自動計数機が使用されることもあります。
  • 品質検査
    製品が規定された基準や法規制に適合しているかを確認します。寸法測定、材質試験、耐久性テストなど多岐にわたる項目があります。
  • 機能検査
    製品が設計通りに動作するかを確認します。電気製品の通電テストや機械部品の動作確認など、製品特性に応じた検査を実施します。

検品作業が重要な理由

ここでは、検品作業が企業活動において不可欠である理由をご紹介します。

品質管理における重要性

検品作業は、企業の品質管理体制の要となります。不良品の市場流出を防ぐことで、製品に起因する事故や苦情を未然に防ぎ、顧客満足度の維持向上に直結します。

また、業界規格や法規制への適合性を確認することで、コンプライアンスを確保します。特に医薬・製薬業界、食品・飲料業界、自動車業界など、安全性が重視される業界では、厳格な検品プロセスが求められます。

企業価値への影響

検品作業の質は、企業のブランド価値に直接影響を与えます。高品質な製品を継続的に提供することで、市場での信頼性が高まり、ブランド価値の向上につながります。

取引先との関係においても、安定した品質の維持は信頼関係構築の基盤となります。特にB2B取引では、取引先の品質基準への適合が取引継続の条件となることも多く、検品作業の重要性は高まっています。

また、適切な検品により不良品の早期発見が可能となり、手直しや返品に伴うコストを削減できます。このような品質コスト(Cost of Quality)の低減は、企業の収益性向上にも寄与します。

検品作業のよくある問題点

現場で直面することの多い検品作業の課題と問題点を整理します。

人的要因による課題

検品作業における最大の課題は、人的要因に起因する問題です。長時間の集中作業による疲労は、検査精度の低下を招きます。特に細かい部品の検査や連続的な目視作業では、作業者の集中力維持が課題となります。

また、検査基準の解釈が作業者によって異なる「判断基準のばらつき」も深刻な問題です。特に外観検査では、傷や汚れの許容範囲の判断に個人差が生じやすく、品質の一貫性を損なう原因となります。

作業スピードと精度のバランスも重要な課題です。納期に追われるあまり検査がおろそかになる、あるいは過度に慎重になり作業効率が低下するなど、適切なバランスの維持が求められます。さらに、繁忙期や人員不足時には、作業負荷の増大により検品品質が低下するリスクも高まります。

管理・運用面の課題

紙ベースの記録管理は、データの検索性や分析に制限があり、傾向分析や改善活動の妨げとなっています。また、リアルタイムな情報共有が困難なため、問題発生時の迅速な対応や予防措置の実施に支障をきたすことがあります。

人材育成面では、熟練検査員の技能伝承や新人教育に多大な時間と労力を要します。標準化された教育プログラムの整備や、効果的なOJTの実施が課題となっています。また、熟練検査員の退職によるノウハウ流失のリスクも無視できません。

検品作業を効率化する方法

検品作業の効率と精度を向上させるための具体的な施策をご紹介します。

作業手順の標準化

効率的な検品作業の実現には、標準作業手順書(Standard Operating Procedures:SOP)の整備が不可欠です。SOPには、検査項目、判断基準、不具合発見時の対応手順など、必要な情報を明確に記載します。これにより、作業者による判断のばらつきを最小限に抑え、一貫した品質確保が可能となります。

チェックリストは、作業の抜け漏れを防ぐ有効なツールです。ただし、項目数が多すぎると作業効率が低下するため、重要度に応じた適切な項目設定が重要です。

デジタルツールの活用

タブレットやスマートフォンを活用したデジタルチェックリストの導入により、検査データのリアルタイムな記録と共有が可能となります。写真データの添付や音声入力など、紙では実現できない機能も活用できます。

バーコードや二次元コードのスキャンにより、製品情報の自動読み取りや履歴管理が効率化されます。また、蓄積されたデータを分析することで、不良傾向の把握や予防措置の立案に活用できます。

RFID技術の活用

RFID(Radio Frequency Identification)技術は、検品作業の効率化に大きな変革をもたらしています。製品情報の一括読み取りにより、数量確認の作業時間を大幅に短縮できるだけでなく、人手による読み取り作業が減少することでヒューマンエラーのリスクも低減されます。

実際に医療機器製造・販売企業のメドトロニック様では、脊椎インプラント製品の出荷・返却管理にゲート型RFIDリーダーを導入したことで、従来のバーコード読み取り作業と比較して大幅なリードタイム短縮を実現しました。また、作業の「標準化」により人による時間差や精度差がなくなり、出荷漏れやピッキングミスも防止できるようになりました。

【導入事例】メドトロニックソファモアダネック株式会社様/医療材料入出荷管理

特に、以下のような効果が期待できます。

  • 検品作業時間の削減
  • ヒューマンエラーの大幅な低減
  • リアルタイムな在庫管理の実現
  • データに基づく業務改善の促進
  • 作業者の負担軽減と人的リソースの最適配分

トレーサビリティーについては、次の記事も参考にしてください。

トレーサビリティーとは?意味や重要性、最新技術による活用法を徹底解説

RFID導入により入出荷時の検品作業時間の短縮に成功した事例はこちらをご覧ください。

【導入事例】自動車メーカー様/水素タンク素材入出庫・品質管理

まとめ:検品作業の効率化ならRFID

RFID(Radio Frequency Identification)技術の導入により、検品作業は大きく効率化されます。製品情報の一括読み取りにより、数量確認の作業時間を大幅に短縮できます。また、人手による検品作業が減少することで、ヒューマンエラーのリスクも低減されます。

製品の移動履歴や検査記録をリアルタイムに把握できることで、トレーサビリティーの向上にも貢献します。この技術は特に多品種・大量の商品を扱う現場や、高い精度が求められる業界で大きな効果を発揮します。

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