社内の備品管理で「どこに何があるか分からない」「発注のタイミングがつかめない」「管理に時間がかかりすぎる」といった課題を感じていませんか。本記事では、こうした課題を解決するため、備品管理の基本知識から実践手順、さらに効率化を実現する方法まで、分かりやすく解説します。
備品管理は企業経営において重要な業務ですが、その意味や必要性について改めて整理しておくことが重要です。適切な備品管理により、経営資源の有効活用とリスク管理を同時に実現できます。
備品管理とは、社内で使用する機器や工具、IT資産、オフィス家具、文書・データ類などを対象に、その数量・所在・利用状況を把握して適切に運用することです。製造業では製造機器や専用工具、医療業界では医療機器や薬品など、業界特性に応じた管理対象があります。
備品管理を正しく進めるためには、一定の手順に沿った仕組みづくりが欠かせません。ここでは実務に落とし込みやすい八つのステップを紹介します。
備品管理の第一歩は、現在社内にある全ての備品を洗い出すことです。オフィス、倉庫、各部署を巡回し、備品を漏れなく特定します。同時に、備品(長期間にわたり使用する資産)と消耗品(短期間で使い切るもの)の区別も行います。
分類は用途別に行うのが効果的です。OA機器、オフィス家具、事務用品、設備関連、専門機器などの大分類を設定し、これを基準として、自社の業種や備品の特性に合わせて分類を追加・統合し、運用しやすい形に整えてください。
備品管理台帳は、全ての備品情報を一元化するための基盤となる仕組みです。まずはエクセルなどを使用して作成することから始め、将来的なシステム移行を見据えた項目設計にすることが重要です。
各備品に識別用のラベルを貼付することで、管理台帳とのひも付けが容易になります。ラベルには管理番号を記載し、備品を一意に識別できるようにします。ラベル作成時は、耐久性のある材質を選択し、備品の特性に応じて適切な貼付位置を決定することが重要です。
備品の保管場所を明確に定め、整理整頓された状態を維持することで、必要な時に迅速に備品を見つけることができます。保管場所は備品の特性(重量、サイズ、使用頻度)を考慮して決定します。また、保管場所を示すマップや案内表示を設置し、誰でも容易に備品の位置を特定できる環境を整備します。
備品管理を継続的かつ効果的に行うためには、以下の運用ルールを明文化することが重要です。
ルールは現場で実行しやすい内容にし、全社員がアクセスできる場所に掲示・共有します。
策定した備品管理ルールを社内に周知し、定着させることが成功の鍵となります。説明会の開催、マニュアルの配布、実際の運用支援など、多角的なアプローチで定着を図ります。また、運用開始後もルール順守状況を定期的に確認し、必要に応じて改善することが重要です。
備品の実際の状況と台帳の記録を照合する棚卸し作業を定期的に実施します。棚卸しにより、紛失や破損の早期発見、台帳記録の正確性維持が可能になります。棚卸しの頻度は備品の重要度や使用頻度に応じて決定し、効率的なスケジュールを組むことが重要です。
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備品管理は、運用開始後も継続的な改善が必要です。運用状況を定期的に評価し、課題や改善点を特定します。技術の進歩や組織の変化に応じて、管理方法の見直しやより効率的な仕組みの導入も検討することで、常に最適な管理体制を維持できます。
基本的な備品管理体制が整ったら、さらなる効率化を目指すことが重要です。デジタル技術の活用や業務プロセスの最適化により、管理工数の削減と精度向上を同時に実現できます。
従来の紙ベースやエクセル中心の運用から、専用システムを活用した管理へ移行することで、大幅な効率化が可能です。
エクセルでの備品管理には、複数人での同時編集が困難、データの整合性維持が難しい、バックアップや復旧が複雑といった限界があります。これらの課題を解決するため、クラウド型管理システムや、データベース機能を持つ専用ツールの導入を検討することが効果的です。移行時は、既存のエクセルデータを活用できるシステムを選択することで、スムーズな移行が可能になります。
クラウド型の備品管理システムを導入することで、場所を選ばない管理業務、自動的なデータバックアップ、システムメンテナンスの簡素化などのメリットを享受できます。また、スマートフォンやタブレットからのアクセスが可能なため、現場での備品確認や更新作業も効率的に行えます。導入時は、セキュリティ要件や他システムとの連携の可能性も考慮して選ぶことが重要です。
バーコードやRFID技術を活用することで、備品の識別・追跡作業を大幅に効率化できます。これらの技術により、手作業による入力ミスの削減、作業時間の短縮、データの正確性向上を実現できます。
バーコードやRFIDタグを備品に貼付し、専用リーダーで読み取ることで、手動での入力作業を大幅に削減できます。特に大量の備品を扱う企業では、この時間短縮効果は年間で数百時間の工数削減につながる可能性があります。
RFID技術を活用することで、複数の備品を同時に一括読み取りすることが可能になります。この技術により、棚卸し作業の効率が劇的に向上します。
実際の導入事例では、従来手法と比較して約30分の1の時間で棚卸し作業を完了できたケースも報告されており、大幅な工数削減を実現できます。
導入事例:【資産管理】重要文書棚卸し管理(川崎重工業株式会社様)
備品管理の効率化には、発注プロセスの標準化と責任体制の明確化が重要です。適切なルールと体制を整備することで、継続的で質の高い管理を実現できます。
これらの仕組みを整備することで、適切な在庫レベルの維持、管理業務の継続性確保、コスト最適化を同時に実現できます。
備品管理を運用していくなかで、多くの企業が共通して直面する課題があります。これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講ずることで、効果的な備品管理を継続できます。
備品管理ルールが現場に定着しないという課題は、最も多くの企業で発生します。原因として、ルールが複雑すぎる、実務に適していない、メリットが理解されていないなどが考えられます。
特に重要なのは、現場の意見を取り入れながらルールを改善し、実際の業務フローに合った仕組みを構築することです。
従来の目視確認による棚卸し作業では、大量の備品を扱う場合膨大な時間と人的コストが発生します。人的作業による確認ミスも課題となり、棚卸し作業のための業務停止による機会損失も大きな問題です。
RFIDは、複数の備品を同時に識別することが可能です。導入事例では大幅な作業時間短縮を実現しており、棚卸し作業による業務時間を最小限に抑えられます。
棚卸し業務を効率化できるRFID対応の棚卸しアプリ Easy Checkout Lite X の詳細はこちら。
備品管理にかかるコストが予想以上に高くなることは、多くの企業が直面する課題です。人件費、システム導入費、管理スペース確保費用などが積み重なり、コスト対効果が見合わない状況が発生します。
重要なのは、全ての備品を同じレベルで管理するのではなく、価値や重要度に応じて管理の濃淡をつけることです。高価な備品や重要な機器に管理リソースを集中し、効率的な運用を実現します。
備品管理は段階的なアプローチで確実に改善できる重要な業務です。まずは台帳作成や運用ルール策定などの基本的な取り組みから始め、管理体制が安定したらデジタル化による効率向上を検討しましょう。バーコードやRFID技術の活用により、棚卸し作業の大幅な時間短縮も可能になります。適切な備品管理により、コスト削減と業務効率向上の両立を図り、組織全体の生産性向上を実現できます。継続的に改善し、自社に最適な管理手法を確立することが成功の鍵です。
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