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Column コラム

RFIDで使用されるEPC とは?基本から活用法まで分かりやすく解説

RFIDの導入検討で「EPCとは何か分からない」、「従来のバーコードとの違いが理解できていない」、「実際にどう活用すればよいか分からない」といった疑問を感じていませんか。本記事では、こうした疑問を解決するため、EPCの基本概念から技術的な仕組み、さらに活用方法まで解説します。

EPCの概要とメモリー構造

EPCは現代の物流・製造業界における重要な識別技術です。その仕組みと構造を理解することで、効果的な活用が可能になります。

EPC(Electronic Product Code)とは

EPC(Electronic Product Code)とは、RFIDタグで商品や資産を管理するために国際的に標準化されたGS1識別コードのデータフォーマットです。従来のバーコード管理で使われてきた識別コード(JANコードなど)をベースに、RFID技術での活用を可能にした「RFIDタグの共通言語」といえます。

EPCの最大の特徴は、世界中のどこでも同じルールで読み取り・解釈ができることです。一度EPCに準拠した情報が書き込まれているRFIDタグを貼付すれば、その後の物流・販売段階においても他社含めて活用することで、サプライチェーン全体での効率化を実現できます。これにより、製造から販売まで一貫したトレーサビリティーを維持しながら、各段階での重複投資を削減できるという大きなメリットがあります。

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EPCとGS1識別コードの関係

EPCは、既存のバーコードシステムで使われているGS1識別コード(JANコード、GTINなど)と高い互換性を持っています。重要な違いは、バーコードが「商品の種類」を識別するのに対し、EPCでは「個々の商品」を識別できることです。

  • JANコード(GTIN)
  • 同じ商品は全て同じコードで管理される仕組みです(例:ペットボトル500mlという商品区分)。商品の種類を識別することはできますが、同一商品の個別管理はできません。このため、在庫管理では商品種類ごとの数量管理にとどまります。
  • EPC(SGTIN)
  • 同じ商品でも個別識別が可能になります(例:ペットボトル500ml No.001、No.002…)。一つひとつの商品に固有の識別番号を付与することで、個体レベルでの管理を実現します。この個別識別機能により、商品の追跡(トレーサビリティー)や在庫の正確な管理が可能となります。

RFIDタグのメモリー構造とEPCの格納方法

一般的なUHF帯RFIDタグ(EPC Gen2規格)は、四つのメモリー領域で構成されています。それぞれの領域には明確な役割が定められており、効率的なデータ管理を可能にしています。

  • 四つのメモリー領域の役割
  • RFIDタグの各メモリー領域には、それぞれ明確な役割があります。EPCメモリーは、EPC識別コードの専用格納領域で読み書きが可能です(96~496ビット)。USERメモリーはユーザーが自由に使用できる追加情報格納領域、TIDメモリーはタグ製造情報の格納(読み取り専用)、RESERVEDメモリーはアクセス制限用パスワードの格納を担当します。
  • EPCのエンコード方式
  • EPCデータをRFIDタグに書き込む際は、SGTIN-96方式が最も一般的です。この方式では、ヘッダー(8ビット)、フィルター(3ビット)、パーティション(3ビット)、GS1事業者コード、商品アイテムコード、シリアル番号で構成され、合計96ビットのデータとして格納されます。エンコード(書き込み時)とデコード(読み取り時)を標準化することで、異なるメーカーのシステム間でもデータを正しく交換できます。

詳細は「一般財団法人流通システム開発センター」のページをご覧ください。

EPCの活用方法と導入手順

EPCを実際に活用するための手順と、具体的な事例についてご紹介します。段階的なアプローチで導入を進めることが成功の鍵となります。

EPC利用の具体的手順

EPCを活用するための手順を三つのステップで説明します。正しい手順を踏むことで、効果的な運用を実現できます。

  • ステップ①:GS1事業者コードの取得
  • EPCを利用するには、まずGS1事業者コードの取得が必要です。既にJANコードやGTINコード(バーコード)を使用している企業は、そのコードをそのまま活用でき、追加費用は発生しません。新規取得の場合は、一般財団法人流通システム開発センターへの申請が必要となります。
  • ステップ②:識別コードの選定と作成
  • 用途に応じて適切なEPC識別コード(SGTIN、SSCC、GRAIなど)を選択し、GS1事業者コード、商品アイテムコード、シリアル番号などを適切に組み合わせてEPCデータを作成します。この段階で、将来の拡張性や他システムとの連携も考慮した設計が重要です。
  • ステップ③:エンコードとシステム連携
  • 作成したEPCデータをRFIDタグに書き込み、データを既存の基幹システム(WMS、ERPなど)と連携させる設定を行います。データの整合性とセキュリティを確保しながら、業務フローに合った設定を行うことが必要です。

EPCの実用的な活用事例とメリット

EPCを活用した代表的な事例を業界別に紹介します。具体的な導入効果を理解することで、自社での活用可能性を検討する際の参考にしてください。

  • 製造業・物流業での活用
  • 製造業では、部品や製品のトレーサビリティーに活用されています。EPCにより個別の部品を識別することで、不良品発生時の原因究明や影響範囲の特定が迅速に行えます。入出庫管理では商品の自動識別による作業効率化を実現し、従来の手作業と比較して大幅な時間短縮が可能です。在庫管理においては、リアルタイムな在庫数量把握により、欠品防止と適正在庫の維持を同時に実現できます。
  • 製造業向けRFIDソリューション
  • 医療業界での活用
  • 医療業界では、医療機器管理における機器の所在と利用状況管理が重要な用途となっています。高額な医療機器の効率的な活用と紛失防止を実現できます。薬品管理では有効期限と在庫の一元管理により、期限切れによる廃棄ロスを削減し、患者安全面では医療ミス防止のためのトレーサビリティーを確保できます。
  • 医療・医薬向けRFIDソリューション
  • EPCの必要性
  • 他社のRFIDタグが混在する環境での確実な区別・管理があります。独自コードでは重複や誤認識のリスクがあるため、EPCによる識別が必要となります。またEPCはグローバル標準であり、将来的な拡張や安心運用につながる重要な要素です。サプライチェーン全体での標準化により、一度書き込めば複数の企業で活用できる(Write Once Read Many:WORM)という大きなメリットを享受できます。

導入時の課題と解決策

RFID導入時の主要課題と解決策、さらに今後の技術進歩について紹介します。事前に課題を理解し、適切な対策を講じることで、スムーズな導入を実現できます。

課題①:導入コストと投資対効果

RFID導入における大きな課題は、初期投資とその投資対効果の見極めです。タグ単価、リーダー機器・システム開発費用が予想以上に高額になることがあり、導入を躊躇する企業も少なくありません。

解決策として、重要度の高い用途からの段階的導入が効果的です。費用対効果の定量的算出とROI目標の設定(導入後2-3年でのコスト回収計画)により、投資判断を明確にできます。特に重要なのは、全ての備品・商品を同時にRFID化するのではなく、効果の大きい領域から優先的に導入することです。棚卸し作業の効率化や在庫精度向上などの具体的な効果を数値化し、段階的な拡張計画を立てることで、確実な投資対効果を実現できます。

関連記事:RFIDタグの価格は?必要なアイテムと導入コストまでわかりやすく解説

課題②:技術的な運用課題

RFIDの技術的な課題として、読み取り精度や環境要因による影響があります。金属や液体の影響、読み取り精度、電波干渉などが主な技術課題となり、期待した性能が得られない場合があります。

対策として、金属対応タグの使用、適切なタグとリーダーの選定、アンテナ配置の最適化が重要です。導入前の十分な検証により、環境に適した機器選定と運用方法の確立が必要となります。特に製造現場や医療現場では、金属製の機器や液体の影響を受けやすいため、事前の検証が成功の鍵となります。実際の運用環境での読み取りテストを実施し、最適な設置条件を見つけることが重要です。

課題③:運用体制と人材育成

新しい技術の導入には、運用体制の整備と人材育成が不可欠です。現場スタッフの理解不足や運用ルールの未整備により、期待した効果が得られないケースが発生します。また、従来の業務フローとの整合性が取れていない場合、現場での混乱や抵抗感を生む要因となることもあります。

推進チームの設置、段階的な教育、マニュアル整備、継続的なサポート体制の確立により、現場での定着を図ります。導入に成功した事例では、現場の意見を取り入れながら運用ルールを改善し、実際の業務に適した仕組みを構築しています。特に重要なのは、導入目的とメリットを現場に明確に伝え、協力を得ながら進めることです。定期的な効果測定と改善活動を継続することで、システムの価値を最大化し、組織全体での活用レベルを向上させることができます。

今後の展望と技術進歩

RFID技術は進化を続けており、今後さらなる活用拡大が期待されています。最新動向を理解することで、将来を見据えた導入計画が立てられます。

  • 技術進歩による新しい可能性
  • RFIDタグの小型化・薄型化と耐久性向上・低価格化などにより、より多くの商品への適用が可能になります。読み取り技術も進歩し、高精度な読み取りや読み取り距離の拡大を実現しています。また、センサー機能を搭載したスマートタグの普及により、温度や湿度などの環境データも同時に取得できるようになりつつあります。
  • 業界標準化の進展
  • EPCの拡充、相互運用性の向上、セキュリティ基準の強化により、導入がより容易になることが期待されています。特にセキュリティ面では、暗号化技術の向上により、機密性の高い情報も安全に管理できるようになります。
  • 新たな活用分野の拡大
  • 例えば食品業界では、賞味期限管理の精密化により食品ロス削減を実現し、製造業では製品ライフサイクルのトレースによるリサイクル促進が進んでいます。サステナビリティーへの取り組みが重要視される中、RFIDによるトレーサビリティーは環境負荷削減にも貢献できる技術として注目されています。

EPCで次世代の管理システムを構築

EPCは、従来のバーコード管理を大きく進化させる識別技術です。国際標準に準拠したEPCの活用により、サプライチェーン全体での効率化とデータの一元管理を実現できます。

導入成功の鍵は、段階的なアプローチと適切な計画立案です。まずは効果の期待できる領域での部分導入から始め、運用ノウハウを蓄積しながら全社展開を図ることが重要です。技術的な課題についても、十分な事前検証と専門家のサポートにより解決可能です。

TOPPANエッジでは、製造業・医療業界をはじめとする多様な業界でのRFIDソリューション導入実績を活かし、お客さまの業務特性に応じた最適なRFID システム設計を実現します。GS1標準に準拠した正確なエンコード設計から、導入後の運用サポートまで、一貫したサービス提供により、確実な効果創出をサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。

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