RFIDは多くの現場で期待されていますが、普及のスピードは当初の期待感ほど急速な導入が進められているとは言い切れません。ここでは、企業や現場担当者が感じている主な障壁について解説します。
導入コストが高い
RFIDの導入には、初期投資や運用コストの負担が大きいという課題があります。
RFIDタグやリーダーなどのハードウェア費用に加え、システム構築・現場展開コストも必要です。特に管理対象が多い現場では初期投資額が膨らむ傾向にあります。RFIDタグ単価は年々下がっていますが、全体コストとのバランスを考えると「割に合うのか」と導入をためらう企業も少なくありません。
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既存システムやインフラとの連携が難しい
RFIDを現場で活用するには、今使っている在庫管理システムや生産管理システムとRFIDのデータを連携させる必要があります。しかし、システムが老朽化していたり、独自仕様で作られていたりすると、追加の開発や設定変更が必要になり、その分、導入や運用の手間・コストが増えてしまいます。結果として、現場の業務フローにうまく組み込めず、期待した効果が出ない場合もあります。
現場での読み取り精度の問題
RFIDの読み取りは、作業環境や管理対象物の種類によって精度にばらつきが出ることがあります。
例えば、金属や液体が近くにあると読み取りにくかったり、棚の奥のRFIDタグがうまく認識できないこともあります。「思ったほど自動化できない」「結局、手作業が残ってしまう」といった声も現場でよく聞かれます。
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情報管理やセキュリティ面の不安
RFID導入により、商品や在庫の管理が効率化できる一方、RFIDタグ情報を無線通信で読み取るため、第三者による不正な読み取りや、RFIDタグの複製など、新しいタイプのセキュリティリスクも無視できません。
こうしたリスクへの懸念が拭えないことが、導入の障壁になることもあります。
		