いますぐ使える!お役立ち資料

[eBook]RFID導入の社内承認を勝ち取る5つのポイント

ダウンロードはこちら

Column コラム

棚卸し差異とは?在庫が合わない原因から対策まで分かりやすく解説

多くの企業では、月末の棚卸し作業で実際の在庫数と帳簿上の数字が合わない問題を抱えています。この「棚卸し差異」により、作業効率の低下や業務改善の停滞が課題となっているのが実情です。

棚卸し差異は企業経営に深刻な影響を及ぼす可能性があり、放置すれば財務状況の悪化や顧客対応への支障につながりかねません。本記事では、棚卸し差異の基本知識から、主要な発生原因、段階的な改善策、継続的な管理方法まで体系的に解説します。

棚卸し差異とは?基本知識と会社への影響

棚卸し差異を正しく理解することは、効果的な対策を立てるうえでの第一歩となります。まずは棚卸し差異とは何か、そして企業経営にどのような影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう。

棚卸し差異とは

棚卸し差異とは、帳簿上の在庫数量と実際の在庫数量の差のことです。この差異は、毎月または年数回行われる棚卸し作業で明らかになり、多くの企業が直面する共通の課題といえます。

棚卸し差異率の計算式は以下のとおりです。

  • 棚卸し差異率(%)= |実在庫数 - 帳簿在庫数| ÷ 帳簿在庫数 × 100

例えば、帳簿上では100個あるはずの商品が実際には95個しかなかった場合、棚卸し差異率は5%となります。この数値が高いほど、在庫管理に問題があることを示しています。

在庫が多い場合と少ない場合の違い

棚卸し差異には大きく分けて二つのパターンがあります。実際の在庫が帳簿よりも少ない場合を「棚卸し差損」、逆に多い場合を「棚卸し差益」と呼びます。

棚卸し差損は、商品の紛失や盗難、入力ミスなどが原因で発生し、会社にとって直接的な損失となります。一方、棚卸し差益は一見プラスに見えますが、これも管理体制の問題を示すサインです。どちらの場合も、正確な在庫把握ができていない状態を表しており、早急な対策が必要です。

会計処理上は、棚卸し差損は費用として、棚卸し差益は収益として計上されます。しかし、いずれも計画外の損益変動となるため、財務計画や利益予測に影響を与える可能性があります。

棚卸し差異が会社に与える三つの悪影響

棚卸し差異が企業経営に与える影響は想像以上に深刻です。ここでは代表的な三つの側面から解説します。

1.キャッシュフローに悪影響がでる

棚卸し差異が発生すると、実際の在庫状況が把握できないため、適切な仕入れ判断ができなくなります。過剰在庫による資金の固定化や、欠品による販売機会の損失など、キャッシュフローに直接的な悪影響を与えます。棚卸し差異率が高い企業ほど、財務状況への影響も深刻になる傾向があります。

2.顧客満足度の低下による売り上げ減少

在庫データが不正確だと、実際には在庫が無いにもかかわらず受注してしまう「過剰受注」や、在庫があるのに機会を逃す「販売機会の損失」が発生します。これらは顧客満足度の低下を招き、長期的な売り上げ減少につながります。

3.現場の作業が非効率になる

棚卸し差異の原因究明や在庫の再確認作業により、本来の業務に充てるべき時間が削られます。また、不正確な在庫情報により、無駄な発注や緊急調達が増加し、業務全体の効率性が低下します。

棚卸しで数が合わない主な原因

棚卸し差異が発生する原因は企業によって様々ですが、多くの企業で共通して見られるパターンがあります。ここでは代表的な原因を四つのカテゴリーに分類し、それぞれの特徴と発生メカニズムを詳しく解説します。

① 入力ミス・処理漏れ

人が関わるデータ処理では、必然的にミスや処理の遅延が発生します。これは棚卸し差異の最も一般的な原因です。

  • 伝票を入力するタイミングがずれる
  • 商品の入出荷と伝票入力のタイミングにずれが生じると、帳簿上の在庫数と実在庫数に差異が発生します。特に忙しい時期や人手不足の際に、この問題が顕著に現れます。
  • 先の日付で処理してしまう
  • 月末処理の都合などで先日付での伝票処理を行うと、実際の在庫移動と帳簿上の記録にずれが生じます。これは棚卸し差異の最も一般的な原因の一つです。
  • システム同士の連携がうまくいかない
  • 複数のシステムを使用している企業では、システム間のデータ連携に問題が生じることがあります。受注システム、在庫管理システム、会計システムの連携不備により、データの不整合が発生します。

② 検品・棚卸し作業のミス

棚卸し作業自体のミスも、差異発生の大きな要因となります。技術を導入していても、運用方法が適切でなければ効果が十分に発揮されない可能性があります。

  • バーコード読み取り作業での問題
  • バーコードを慎重に読み取ることが求められるため、作業速度に個人差がでやすく、全体の効率が下がることがあります。作業担当者の経験や慣れによって速度に大きな差が生じ、熟練者と新人では倍以上の時間差が生まれることも珍しくありません。
  • カウント作業での見落としや重複
  • バーコード運用の場合、商品の数え間違いや、同じ商品を重複してカウントしてしまうミスが発生します。特に一見同じように見える商品では、確認不足による誤差が生じやすくなります。
  • 読み取りエラー
  • バーコードの汚れや損傷、読み取り角度の問題により、正確な読み取りができない場合があります。RFIDでは、電波干渉による誤読も棚卸し差異発生の一因となります。

関連記事:電波の金属干渉問題を徹底解決!製造・医療現場のRFID読み取り精度を向上させる技術と対策

③ 仕入れ・納品時の問題

仕入れ先や配送業者との間で発生する問題も、棚卸し差異の重要な原因となります。

  • 納品数量の相違
  • 仕入れ先からの納品数量が注文数と異なる場合や、配送中の破損・紛失により実際の入荷数量に差が生じることがあります。受け入れ検品が不十分だと、この差異に気づかずに処理してしまいます。
  • 返品処理の遅延
  • 顧客からの返品や仕入れ先への返品処理が遅れると、帳簿と実在庫の乖離が生じます。特に返品理由の確認や品質チェックに時間がかかる場合、処理が後回しになりがちです。
  • 書類と実物の不一致
  • 納品書や送り状の記載内容と実際の商品が一致しない場合があります。商品の種類違いや数量違いを見逃すと、最終的に棚卸し差異として発覚します。

関連記事:検品作業とは?検品の重要性や効率化のポイントを解説

④ 在庫の紛失・盗難・破損

物理的な在庫の減少も、棚卸し差異の原因として無視できません。

  • 商品の所在不明・紛失
  • 在庫が決められた場所に保管されていない、または保管場所の記録が更新されていないことにより、棚卸し時に商品を探すのに多大な時間を要します。特に大型の倉庫や工場では、一つの商品を探すために数時間を費やすケースもあります。
  • 整理整頓不足による管理の混乱
  • 整理整頓が徹底されていない職場では、同じ商品が複数の場所に散らばって保管されていたり、類似商品が混在していたりします。これにより、正確な在庫数の把握が困難になります。
  • 品質不良や破損による廃棄処理漏れ
  • 商品の品質不良や破損が発生した際、適切な廃棄処理手続きが取られていないことがあります。実際には無い商品が帳簿上に残り続けることで、棚卸し差異の原因となります。業種によっては、製造工程での部材消費タイミングの把握や、季節商品の処分、一時保管と通過在庫の区別など、特有の管理課題も存在します。

関連記事:ロケーション管理とは?製造業・医療業界での活用と実践方法を解説

棚卸し差異を解決する方法と優先順位

棚卸し差異の解決には段階的なアプローチが効果的です。投資レベルに応じて三つの段階に分けて対策を進めることで、確実な改善を実現できます。

今すぐできる基本対策

まずはコストをかけず、すぐに実行できる改善策から着手します。これらの対策は即効性があり、多くの企業で効果が実証されています。

  • 作業手順書を整備し、手順を統一する
  • 棚卸し作業の手順を明文化し、全員が同じ方法で作業を行えるようにします。どの商品から数え始めるか、どのような順序で確認するか、記録はどのように取るかなど、詳細な手順を定めることで人為的ミスを大幅に削減できます。
  • 指さし確認・複数人チェックを徹底する
  • 1人での作業では見落としが発生しやすいため、重要な商品については複数人でのチェック体制を構築します。また、数量確認時の指さし確認や声出し確認により、カウントミスを防ぐことができます。
  • 整理整頓(5S)を実践する
  • 整理(不要なものを取り除く)、整頓(決められた場所に置く)、清掃(きれいに保つ)、清潔(整理・整頓・清掃を維持する)、しつけ(習慣化する)の5Sを徹底することで、商品の所在を明確にし、棚卸し作業の効率性を向上させます。
  • 棚卸し差異発生時の報告書作成を仕組み化
  • 差異が発生した際の原因調査と報告書作成を標準化します。いつ、どこで、何が、どのような状況で差異が発生したかを記録し、再発防止につなげます。

運用改善による中期対策

基本対策で土台を整えた後は、運用方法の改善や小規模な投資によって効率化を進めます。

  • 棚卸し頻度を増やして差異を早期発見
  • 月次棚卸しから週次、さらには日次棚卸しなど、現場の状況に合わせて頻度を上げることで、差異の早期発見と迅速な対応が可能になります。棚卸し差異が小さいうちに対処できるため、大きな損失を防げます。
  • バーコード運用の最適化
  • 既存のバーコードシステムでも、読み取り角度や距離の標準化、作業者向けの訓練プログラム実施により作業効率を改善できます。読み取り技術のばらつきを減らし、エラー率を下げることが可能です。
  • 業種に応じた管理ルールの最適化
  • 製造業では製造工程と在庫管理の連動、小売業では商品ライフサイクルに応じた管理、物流業では自社在庫と預かり在庫の区別など、業種特性に応じたルール設定を行います。

システム・技術導入による抜本対策

最終段階として、システム化や技術の活用により、人的要因を最小化して抜本的な改善を図ります。

  • RFID技術による一括読み取り
  • RFID技術では、複数の商品を同時に読み取ることができ、棚卸し作業時間を大幅に短縮できます。従来のバーコードでは1個ずつ読み取る必要がありましたが、RFIDなら一度に数十~数百個の商品情報を取得可能です。

棚卸し業務を効率化できるRFID対応の棚卸しアプリ Easy Checkout Lite X の詳細はこちら。

  • 在庫管理システムとERPの統合
  • ERP(企業資源計画)システムの導入により、受注から生産、出荷までの一連の流れを統合管理できます。各システム間のデータ連携により、リアルタイムでの正確な在庫把握が可能になります。
  • IoT・AI技術による自動化・省人化
  • IoT重量センサーを活用した重量ベースの在庫管理や、AI画像認識による自動カウントなど、最新技術の活用により人手を介さない在庫管理を実現できます。これらの技術は、DX推進による働き方改革にも大きく貢献します。

棚卸しと在庫管理を徹底し、棚卸し差異を最小限に

棚卸し差異の改善は、投資不要の基本対策から小投資での運用改善、そして本格投資によるシステム・技術導入まで、段階的なアプローチが最も効果的です。

まずは現在の棚卸し差異率を確認し、棚卸し差異の主要な原因のうち、自社にとって特に影響の大きいものを特定してください。そのうえで、基本対策から順に改善策を実行していくことで、着実に成果につながります。

一方で、RFID導入を検討する場合には、効果検証を事前に行うことが欠かせません。

TOPPANエッジでは、多様な業界でのRFIDソリューション導入実績を活かし、お客さまの業務特性に応じた最適なシステム設計を実現します。導入前の要件定義から運用開始後のサポートまで、一貫したサービス提供により、スムーズなシステム導入をサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。

製造業向けRFIDソリューション

医療・医薬向けRFIDソリューション